カトリック上福岡教会

説教

教会学校サマーキャンプのミサ説教(2025/8/2)

桐生研修センター フランシスコの家にて
第一朗読 レビ25:1、8−17
福音朗読 マタイ14:1−12

今日の福音に出てくる洗礼者ヨハネは、神さまの御心に従って、正しく生きていた人でした。そして、他の人たちにも、「神さまの思いに従って、心を改めなさい」と、呼びかけていた人でした。今日の福音では、ヨハネがヘロデ王に、「それは間違っていますよ」と正しいことを言いました。でも、ヘロデ王とそのまわりの人たちは、自分たちの悪い思いをやめず、ヨハネを殺してしまいました。みんなは、こう思うかもしれません。「どうして正しく生きたのに、そんなひどいことが起こるの?」、「神さまは、どうしてヨハネを助けてくれなかったの?」と。

でも、神さまは「聖年」という特別なお約束をしてくださいました。今日の第一朗読のレビ記には、50年に1度、「ヨベルの年」、つまり「聖年・喜びの年」を過ごすようにと書かれています。その意味はこうです。「今、お金がなくて困っている人や、借金がある人、自由をなくして苦しんでいる人たちへ。神さまは、あなたたちに元の生活を戻して、もう一度やり直せるようにしてあげるよ。」という神さまの回復の約束です。人間は忘れたり、見捨てたりするかもしれないけど、神さまは絶対に忘れません。そして、もう一度立ち上がらせてくださいます。

福音の話に戻ります。ヨハネは正しいことを言って、勇気を出して行動しましたが、殺されてしまいました。でも、それで終わりではありません。正義を愛する神さまは、ヨハネを忘れず、天国で彼を喜んで迎えてくださいました。きっと神さまは、「ヨハネ、あなたの勇気と愛をわたしは知っているよ」と言ってくださったでしょう。このように、神さまは私たちの正しい行いや親切を、いつまでも覚えていてくださいます。そして、時間がかかっても、必ず回復してくださいます。

さて、今年の聖年のテーマは何ですか? そう、「希望の巡礼者」です。「希望」とは、「これからよくなる」「神さまがいらっしゃるから大丈夫!」と思える心の光です。フランシスコ教皇も、「希望は私たちを裏切らない」とおっしゃっています。なぜなら、神さまが私たちを愛して、大切に思ってくださっているからです。

ヨハネのように、また「聖年」が教えてくれる希望のように、私たちも時には辛いことや悲しいことに出会うかもしれません。でもその時こそ、「神さまは私を回復してくださる」「助けてくださる」「一緒にいてくださる」「神さまが私を愛してくださるから」と信じていましょう。そして、神さまのみ旨に従って、希望の道を歩む巡礼者になりましょう。

例えば・・・

  • 友達を嫌いになった時、自分の間違いがないか考えて、謝ってみる
  • 辛い時、神さまの助けを信じてお祈りしてみる
  • 悲しいことがあっても、神さまの愛を思い出して、もう一度、頑張ってみる
  • 勇気を出して、正しいことをやさしく言ってみる

そういうことができたら素晴らしいですね。皆さんも、洗礼者ヨハネのように、正しく、親切な道を歩みましょう。時には辛くて、涙が出ることもあるかもしれません。でも神さまは、絶対に皆を笑顔にしてくださいます。さあ、私たちも「希望の巡礼者」となって、明るい道を歩いていきましょう!

カトリック上福岡教会 協力司祭 イ・テヒ神父

ゆりのイラスト

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